情報の非対称について

サイコロは通常、6面体だ。それぞれの目の出る確率は1/6である。実際に、何千、何万回、サイコロを投げると、その数字に収斂していくらしい。

しかし、たとえば「1」の目が他より2倍出やすいサイコロなら、どうだろう。

他の目より出やすいことが直感できるとおもう。

確率の世界では、前者を頻度論、後者をベイズ推定として計算するらしい。

ギャンブルの世界では、後者をイカサマと呼ぶ。

そしてイカサマの特徴は、その情報が公開されていない点にある。

一方が知っていて、一方が知らない。なのでギャンブルの主催者側が得をする。

情報の非対称は何もキャンブルだけではなく、

ビジネスでも川上に位置する企業の方が得をしている。

上場企業なら、一次情報としては、決算書ならネットで読むことができる。

プレリリースも読める。

しかし、それ以外のことを知りたければ、一定の株を取得して株主として情報を得なければならない。

メディアは頼りになるだろうか。

企業の情報を日々、知らせてくれる。

しかしメディアの収益は広告に頼っている。テレビは広告料が全てと言って良さそうだし、新聞や雑誌は購読料も見込めると言っても、たとえば新聞の場合、広告費が売上の半分となっている。そのため広告主に対して忖度が働いてしまう。悪い情報は自主規制されてしまう。

忖度という点では、行政に対しても同様だ。ただしこちらは、広告主としてではなく、権力そのものに対する忖度、あるいは行政に不利な情報を流すと、情報がもらえない心配から来ているだろう。

レイモンド・チャンドラーの小説を愛読している。

最後に、好きな一節で締めよう。

私が常に驚かされるのは、訊いてまわればたいていのことは簡単にわかるという事実にあまり思い当たらないことです。(ロング・グッドバイ P516 / 村上春樹 訳)

気づいたことを、お気軽に。
公開まで、やや時間がかかりまーす!