「広告批評」

「広告批評」を毎月読んでいた。

雑誌名に広告が付くわりに、広告について触れられていないユニークな雑誌だった。

もっとも、どこかで広告とつながっていてのかも知れないけれど、少なくとも僕には分からなかった。

いま自分を振りかえっている。たとえば、コピーライターブームとは何だったのか? 「広告批評」を思い浮かべてみよう、などだ。

「広告批評」の初代編集長は天野祐吉さんである。「巷談コピー南北朝」「成長から成熟へ」を読んでみた。

僕が広告にたずさわったのは1980年代からだ。体験でなくても、知識レベルで、もっと俯瞰して広告を眺めてみたい気分もあった。

以下、両書を頼りに、自分のつたない知識を交えてまとめておこうと思う。

戦争により、日本の多くの生産設備は破壊された。戦争が終わり日本は復興し、モノ不足から開放されていった。とりわけアメリカをお手本にした商品は次々と家庭に入って行った。それが1960年後半から70年代になると商品がダブつき、メーカーは商品の差別化を図るため(口八丁手八丁的な)様々なイメージを広告により、付けていった。天野さんのユニークな考え、「巷談 コピー南北朝」によると、1970年代の石岡瑛子さんのパルコの広告が「火を放った」。そして焼け野原に、気鋭のコピーライターが現れて来たという。この点、70年代後半から80年代中頃までをコピーライターブームとする私見と一致しそうだ。

天野さんの著作と同時に、「島森路子インタビュー集」のページをめくってみた。

ちなみに島森路子さんは「広告批評」の2代目編集長である。

「インタビュー集 2 ことばに出会う」には村上春樹さんのインタビューが掲載されている。ロングインタビューがあるとは知らなかったわ。



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公開まで、やや時間がかかりまーす!