松本清張の「砂の器」を読了した。清張の小説は初めてである。原作の映画化は何度も観ている。映画はかなりプロット(あら筋)が異なる。脚本というのは大変だと思う。ウィキペディアを調べてみると脚本は山田洋次となっている。山田洋次と言えば何といっても寅さんである。それ以前はハナ肇の「バカ」シリーズだ。脚本家としての山田洋次は初めて知ったし、何よりご自身の監督作品と「砂の器」では印象がとても違う。映画「砂の器」にはもう一人脚本家がいる。Wikipediaによると橋本忍となっていて、黒澤監督の「羅生門」「七人の侍」をはじめ、「白い巨塔」「日本で一番長い日」「八甲田山」「私は貝になりたい」といった日本の代表作の脚本を書いている。「砂の器」では親子が日本海を旅するシーンが印象的だ。これは推測だが、涙を誘うこの場面は山田洋次が脚本を書いたのではないか。原作を上回る映画は皆無だと思っていたけれど、「砂の器」は唯一かも知れないねぇ。
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